POP(Post Office Protocol)とSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、電子メールのやり取りに使用される通信の仕組み(プロトコル)です。

POP(メール受信の仕組み)
  • POPは、電子メールを受信するための仕組みです。
  • メールを受け取る際には、ID(ユーザー名)とパスワードを使って自分を確認します。この認証により、他の人があなたのメールボックスにアクセスすることを防ぎます。
SMTP(メール送信の仕組み)
  • SMTPは、電子メールを送信するための仕組みです。
  • SMTPでは、IDやパスワードによる認証がありません。これは、インターネットが始まった頃から使われている方法ですが、セキュリティ上の懸念があります。
プロトコル役割認証の有無
POPメールを受信するあり
SMTPメールを送信するなし

POP before SMTP認証の仕組み

SMTPには認証機能がないため、不正利用のリスクがあります。そのため、POP before SMTPという仕組みが利用されます。この方法は、以下のように機能します。

最初にPOPで認証

まず、POPを使って自分のIDとパスワードを使って認証を行います。これにより、あなたが正当な利用者であることが確認されます。

SMTPでメール送信

認証が成功した後、一定時間だけSMTPを使ってメールを送信することが可能になります。これにより、あなたのインターネット接続時に割り当てられたIPアドレスから、メールを安全に送ることができます。

この仕組みにより、送信者の本人確認が疑似的に行われ、メールの安全性が向上します。

POP before SMTP認証の問題点

「POP before SMTP」という方法では、メールを送信する前に認証を行いますが、いくつかの問題点があります。

1. 複数のパソコンへの影響

この方法では、同じ場所にある複数のパソコンが影響を受けることがあります。具体的には、あるパソコンで認証を行った場合、その場所にある他のパソコンも一定時間、認証を受けたパソコンと同じようにメールを送信することができてしまいます。

2. セキュリティリスク

この仕組みにより、ウイルスに感染したパソコンが迷惑メールを大量に送信してしまう危険があります。悪意のあるソフトウェアがこの隙を突いて、ネットワーク内の他のパソコンを利用して不正にメールを送信する可能性があります。

シナプスの方針について

シナプスでは、より安全なメール環境を提供するため、「POP before SMTP」方式を廃止し、新しい認証方法への切り替えを進めております。

切り替えスケジュール
  • 対象方式:「POP before SMTP」
  • 切り替え完了予定:2025年

認証機能が強化された新しい方法を採用することで、不正利用やリスクを軽減し、メール送信における安全性を大幅に向上させます。

今後も、ユーザーの皆様が安心してメールをご利用いただけるよう、さらなるセキュリティ向上に取り組んでまいります。