シナプススタッフリレーコラム『電脳随想』
『所有しないということ』
NS事業部 開発チーム 今門 克行
Amazonのkindleや、Appleの iBooksなど、電子書籍を「購入」して読書を楽しんでいる方は多いと思います。
購入、と書きましたが、実はこれらの電子書籍サービスの多くは、本そのものではなく、「読む権利」に対してお金を払っていることになっています。
つまり、KindleやiBooksなどで購入した電子書籍は、物理的に「所有」していることにはなりません。
先日、Appleの音楽ストリーミングサービスApple Musicが始まりました。
月980円でクラウド上の数百万曲が聞き放題、しかもダウンロードしてスマートフォン等に取り込むことも可能、という魅力的なサービスではありますが、これらも基本的には電子書籍と同じで、「音楽を聴く権利」を購入していることになります。
今後、世の中のクラウド化がますます進むと言われています。
これまで以上に、いろんな分野のコンテンツを、好きな時に、好きな場所で引き出して楽しむことができるようになりそうです。
わくわくしますね。
しかし、このようなサービスの提供元が、何らかの理由でサービスを止めてしまうと、今まで楽しんでいた書籍や音楽をまったく読めない、聴けないという事態が発生するリスクもあります。
所有しない、ということにはメリットと同時にデメリットがあることを意識しつつ、これからのデジタルライフを送る必要があるのではないかと思います。