シナプススタッフリレーコラム『電脳随想』

月曜日, 1月 29th, 2018 投稿者:電脳随想

『歴史に思いを馳せる』

サポートセンター課 田中利津子

思いを馳せるー。
離れたものに対して思い巡らせる事を意しますが、何だか風情感じるこの言葉が私は好きで物書きする際には好んで使います。

一言に「思いを馳せる」といっても、色々な対象がある訳ですが、特に歴史に対して自分なりに想像を巡らす時に多用している気がします。

私がよく思いを馳せる歴史というのは、ずばり幕末の動乱期です。

今年は明治維新150周年という記念の年でもあり、大河ドラマでは「西郷どん」が始まり鹿児島の初回視聴率は30%を超すといった地元での盛り上がりも見逃せないものになっております。

その明治維新の礎を築く元となったのは、やはり幕末の激動期を経たからでしょうが、300年の江戸幕府を全く新しい時代に切り開く意思というのは、その時代に生きた人々の強く大きな信念がなければ成し遂げられなかったのだろうなと、どうしても思いを馳せらせてしまわずにはいられません。

といいつつも、実は幕府側であった「新選組」も好きで、モチーフとした漫画やドラマなどに大いに影響を受けている一人であります。
新選組も佐幕派や尊攘派で思想が分かれ、その犠牲になってしまった1人が総長の山南敬助だと思っています。新選組ストーリの中の事件として山南敬助の脱走がよく描かれますが、どうして脱走したのかは未だにはっきり分かってはいません。ただ文武両方に長けていた山南が書置きを残して脱走したのには、死しても隊に対して訴えたい事があったのではないかと言われています。私はそれが幕府側の失望や間違った思想を指南としている隊に目覚めてほしかったりという想いがあったのではと思ってしまいます。
そして脱走した捜索は沖田総司だけだったにも関わらず簡単に捕まってしまう事を考えても、山南に本気で逃げるつもりがなかった事も伺えます。
脱走は隊規では死罪。山南は切腹する事になりますが介錯は山南希望で沖田が務めたそう。
切腹前に山南の恋人・島原の明里と格子窓越しで別れを惜しんだそうで、2004年放送の大河ドラマでもこのシーンが描かれ私は大号泣してしまいました。この時の山南役は「半沢直樹」で有名になる前の堺正人さんでした。

あまりにこのシーンが私の中に残ってしまっているので去年は京都に行った際、切腹場と言われる所へ行って参りました。

旧前川邸。現在内部非公開で切腹場所を見る事は叶いませんでしたが、窓格子があったとされる場所に佇み思いを馳せてきました。

ほかにも近くには芹沢鴨が暗殺された八木邸(ガイドもしてもらえます)や、訓練に使われていた壬生寺など「新選組に思いを馳せる」には絶好の場所なので、新選組好きなら是非足をお運びください。

そして鹿児島も幕末から明治維新にかけて西郷さんはじめ多くの偉人が活躍され史跡も多くあります。そこにも、もちろん多くの思いがあり歴史が作られているでしょう。

「歴史に思いを馳せるー」

明治維新150年を機に、地元でも新しい礎を築いた先人方への思いを感じ、そして自分もこれからの未来どう思いを持って生きていくのか、歴史に思いを馳せながら、見つめなおしていきたいと思います。


コメント
  1. いい記事に出会えました。 歴史は得てして勝者側からの史実になり勝ちですが、裏面から眺める事も大事だと思います。
     勉強になりました。

    Comment by hashi 2018年1月30日 10:50 AM

  2. hashi様
    コメント頂きまして誠にありがとうございます!
    様々な方の想いが重なり歴史となって今に繋がっているのだと感じます。
    歴史を色んな側面から見ていくのも面白いですよね。
    hashi様もぜひ、色んな「思いを馳せ」ながら歴史をお楽しみください。

    Comment by 田中 2018年2月6日 6:12 PM


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