シナプススタッフリレーコラム『電脳随想』

2017 年 7 月 3 日 月曜日 投稿者:電脳随想

『ゲームで試される伝える力』

サポートセンター課 松元理保

皆様テーブルトークロールプレイングゲーム略してTRPGってご存知ですか?

ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったテレビゲームのジャンルの1つであるロールプレイングゲーム(RPG)の元になったアナログゲームのことで、最近またちょっと遊ぶ人たちが増えてきているゲームです。

どんなゲームかと言うと、机の上に用意した紙とサイコロを使ってキャラクターに成りきって物語を進めていくという遊びです。
一昔前は実際に仲間が集まって1つの机を囲んで遊んでいた様ですが、そこは現代。最近はskype等のツールを使うことで、離れた場所に住んでいる友達や、同じ趣味の見知らぬ誰かとインターネット上で遊ぶことが出来るようになっています。

さて、このTRPGですが、テレビゲームと大きく違うのは、ずばり、ゲームの進行を管理するのも人間という所。
普通のゲームはプログラムの進行に従った手段でしか物語を進めることはできませんが、TRPGはなんと「こう進めたい」という交渉が出来ちゃうんです。
もちろんある程度決まった物語の中で進めていくので出来ない事もありますが、どうしたらそんな発想になるの?!と、自分では想像も出来なかった交渉を持ち出されることもあり、同じ物語を進めているはずなのに遊ぶ人次第で全く違う話になることもあるのがTRPGの最大の魅力だと思います。
そして、このゲームで何より大切なのは「どれだけ相手に自分の考えを伝えられるか」です。
まずは簡単な例を2つ。

『貴方が目を開けると、目の前に大きな木がありました。』

この文章を見て、皆様はその木がどんなものだと想像しますか?
屋久杉のような木?この木なんの木で有名なバオバブのような木?もしくは大きいけれど枯れている木でしょうか。
大きな木とだけ言われても、木についての情報は聞き手の想像次第です。

『私は驚いて部屋の中に入りました』

当然、部屋に入ったのは分かりますね。では、部屋に入った後、扉はどうなっているのでしょう?
開けっ放し?しっかりと閉めた?あるいは鍵までかけている?
驚いた前後の状況と、扉の形状などにもよりますが、色々と考えられると思います。

自分が思い浮かべている景色やキャラクターの行動は、考えている自分にしか分かりません。
そんな景色や行動をいかにして一緒に遊んでいる仲間達に伝えられるかがこのゲームを遊ぶ上で最大の難所になり、私はこれが物凄く苦手です。

伝えられている「つもり」、理解した「つもり」になって居ることが多く、終わった後の反省会で「そう言うことだったのか」となってしまうこともしばしば。
自己完結した思い込みで、最後に何かおかしいぞ?と気づいても残念ながら手遅れということもありました。

普通のゲームとは違い、全てが人の手で動いていくからこそ、ちょっとでもおかしいと思ったことは言葉にすることが大切です。
でも、それが分かっていても、相手の言葉に対して、追加で「これはどう言うことなの?」「つまりこういうこと?」と声をかけるのは、思っている以上に難しく、精進を重ねる毎日です。

このTRPG、遊んでいる皆の合言葉は「声を出していこうぜ!」です(笑)
皆様も、家族や友人と沢山会話をしていきましょう!


トラックバック

Leave a comment