シナプススタッフリレーコラム『電脳随想』

月曜日, 12月 5th, 2016 投稿者:電脳随想

『元旦の生存確認』

DC運用チーム 若松正史

今年も師走に入り、いろいろと慌ただしくなってきました。

約25年前、最初に就職した企業で1年間、給料を貰いながら、その企業内の
運営する学校に通わせてもらいました。
今だと給料を貰いながら勉強をさせてもらうというのは、なかなか無いこ
とだと思いますが、末期とはいえ、バブルの恩恵に預かること出来たそうい
う時代だったと思っています。

カリキュラムはコンピュータ全般/数学/電気など理系を中心に、さらに英
語だけでも三教科あり短大2年分の内容を1年でやるボリュームで、なかなか
大変、且つ消化不良気味でしたが、高校を卒業し上京したての大人になり切
れない仲間たちと、喜び、楽しみ、そして心細さを共有していた思い出深い
時期です。

その時の同じクラスの仲間には女性も数人いて、そのうち1人が家庭の事情
で修了を待たずして退職し、近畿地方の実家に帰っていきました。

やがて学校を修了し、実際の職場へ配属された後も彼女とは時々手紙で他
愛のない近況をやりとりしていたのですが、私も就職から6年半で退職し、鹿
児島に帰ってきました。

その後も彼女からは本当に忘れたころに携帯に電話が来て「今事務の仕事
をしている」とか、「今度結婚することになった。苗字が〇〇になる。」と
か「実は苗字が戻ることになった。」とかそういう短い近況のやり取りをし
てました。
彼女からすると、昔の自分を知っていて、でも近況を知らない遠方に住む
私が。人生の節目を報告するちょうどいい距離感の話し相手でだったのかも
しれません。

やがて私も今の会社に就職し、十数年前から大晦日は毎年夜勤に入ってお
り、ちょうど彼女が1月1日生まれということもあって新年のあいさつと誕生
日を祝うごく短いメールを送っておりました。
「今年も夜勤」と送れば「相変わらずね」程度の返事が来ますが、続けて
こちらの近況を送っても返事はなく、彼女の近況をうかがい知ることは出来
ないもののお互いの生存確認は出来ていたことになります。

さて、2016年の年明け直後にいつもの携帯アドレスへメールを送ったので
すが速攻で宛先不明でエラーが帰ってきました。おそらく携帯を解約したの
かアドレスを変更したのかだと思われ、ごく普通のこととは言え、少し寂し
い気持ちになりました。

思えば、二十歳前に1年も満たない期間、同じクラスで勉強をしただけで、
お互いにその企業を退職し、私も当時の同期や職場の上司同僚とのやりとり
も全くない中、年1回のメールだけとは言え、25年以上もやりとりが続いて
たことがすごいことです。
メールで連絡がつかなくなったということは、全く別の新しい人生を彼女
が歩み始めたのだと思うことにしました。

といいつつ、実は彼女はメールアドレスを変更したものの、私の携帯の受
信制限がガチガチになっているせいで、異なるアドレスからのメールを拒否
していただけかも知れないので、今度の大晦日と元日は受信制限を一時的に
解除したら、意外とメールが来るんじゃないかとも思っている自分がいます。

みなさん、受信制限の確認と、年末年始の準備はお早めに。

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