栄光なき天才たち
私は間違っているはずだ。全ての人間が何らかの間違いをしでかしているのに、私だけが例外のはずはないさ。だが、たとえ間違っているはずだとしても、正しいと思えたときに正しいと言い行動しなければ、人間には何も無いんだ。
こんにちは、たけうちです。
インターネットの無かった高校時代、一番の暇つぶしはマンガでした。よく回し読みしていた2大マンガ誌はビッグコミックスピリッツとヤングジャンプ。ふと思い出してネットで調べてみると、この2誌は今も続いているようで、ちょっと懐かしい気持ちになりました。そしてその懐かしさの勢いで先週、当時のヤングジャンプに連載されていた「栄光なき天才たち」の単行本セットを、オークションで落札しました。
ブログ冒頭の一文は「栄光なき天才たち」に登場するグレゴール・ヨハン・メンデルという人物のセリフですが、決定的な印象として、頭の中にずっと残りました。
メンデルは、必ず教科書に登場する「メンデルの法則」を見つけた19世紀の人です。エンドウマメの地道な研究で、遺伝に関わる、優性の法則・分離の法則・独立の法則を発見しました。あまりにも大きな功績ですが、しかし正当な評価を受けたのは、法則の発表から34年、メンデル死後16年経ってからです。法則発見の当時、メンデルはぱっとしない修道士兼中学教師。遺伝を扱う生物学は専門外なうえ学位もなく、その学会からは総スカン状態。メンデルは、自ら発見した偉大な法則をあえなく取り下げました。偶然にも、生物学界のもう一人の偉人ダーウィンが種の起源を発表し、世の中に一大センセーションを巻き起こしていましたが、メンデルはその論争に加わる機会はなく、生物学に関わることさえもなく、そのまま生涯を閉じました。
一見不遇な後半生ですが、「栄光なき天才たち」では、メンデルの幸福な時代…として描かれています。
偉大な法則を取り下げたメンデルの一番の悔恨は、自分の功績が認められなかったことではなく、自分の正しいと信じたことを簡単に引っ込めてしまった、その弱い自分に向けられていました。生物学で挫折したメンデルでしたが、その挫折から得た冒頭のセリフに込められた気持ちを胸に、修道院の院長として政府の不当な課税と一人戦う、勇気ある人間に成長していました。
実生活において「メンデルの法則が役立ったよ!」という記憶は皆無ですが、「栄光なき天才たち」で知ったメンデルのセリフには、いろいろなシーンで勇気づけられました。今振り返ると、マンガから影響を受けていることって、けっこうありますねえ。
こんにちは。
「マンガの名言」ですかぁ~
確かに、小学校時代によく見ていた「銀河鉄道999」のセリフは今でも覚えています♪(笑)♪
「銀河鉄道999」のような冒険ものは、何か勇気が湧いてくるようなセリフが多いような気がします。
それを今の時代のアニメに例えると「ワンピース」になるでしようかね?
昔も今も、もしかしたらアニメのセリフに助けられなかった人はいないのではないでしょうかね?
http://www.youtube.com/watch?v=PHb5swIlIMM
コメント by 9時から男 2012年2月11日 8:02 PM
9時から男さん、こんにちは。
そうですよねえ。松本零士には、なんだかんだですごい影響を受けてますね。
999のほか、宇宙戦艦ヤマトやキャプテンハーロック…。
『わが青春のアルカディア』は、今でもたまにDVDを見返しています。
コメント by たけうち 2012年2月13日 8:36 AM